原作が発表されてから、半世紀近い。スタジオライフが手掛けてからも十年。
少女漫画としてだけでなく、物語としても良く組まれていて、当時の若者が飛びついた。原作の雰囲気を「トーマの心臓」で心得ているスタジオライフがメール・キャストで舞台に上げて、当てた。何度も再演している。今回は音楽劇と銘打って、ミュージカル風に歌う場面が多い。
良くまとまっていて、SFファンタジー的な空間の学園ものがスピーディに展開する。俳優も柄にはまっている。複雑な設定なのだが、楽しむには十分の情報は与えられる。
だが、劇場がかつてのように熱くならないのは、それは、時代が変わったからだろう。
振り返れば、今を流行の2・5ディメンションのはしりは、スタジオライフであり、キャラメルボックスだった。ともに同じような漫画や小説を素材に、一時期はブームだった。そのブームを受け継げなかったのは、なぜか。その理由はどうにでも言えるが、そこに、時代とともにあるナマモノの演劇の面白さも難しさも不思議さもあると思う。