満足度★★★★
鑑賞日2019/05/21 (火) 14:00
パンフレットを読むと、小林勝也氏は、同じ文学座の今井朋彦氏を除いて、他の皆とは初の座組ということだ。
しかし、とてもしっかりとした、調和のとれた舞台。演者各位の力量もあるのだろうが、それぞれのやりとり、セリフのキャッチボールが、それぞれの心情と立場を明確していて観ていて安心感がある。フライヤーの6人の写真で、どの2人を線で結んでも、それぞれの関係性が明確に思い起こされる。
もう少し、感情的なもつれが生じるような対話劇かと思ったけれど、さにあらず。
観衆に是非の判断を強いるでもなく、それでいて直線的なストーリーではなく、平行線に陥る対立もない。皆が皆、何かを知り、何かを信じ、そして何かを理解していく様が、淡々と描かれる。内面の激情を、時として隠しながら。
15分の休憩も、前後半の時間の隔たりと、心の変遷を鮮明にする意味で、よかったと思う。