あさどらさん 公演情報 十七戦地「あさどらさん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    開演直前に入場したが自由席で前3分の1の真ん中という特等席。
    質素の極限のような前回公演とのギャップの激しさにまず笑った、というのも変だが、実は前回が「伏線」であったのかと訝るほどの変わりよう。そして座高円寺2が悪くない劇場だと初めて感じた舞台だった。装置の端正さ・明るさが印象的で手抜きを感じさせない。
    柳井氏の本によくある独特なリアル逸脱(書き込まれてなさ?)の波に小突かれながら進む船が、朝ドラ印のマスト(あるあるな展開や、音楽)で乗り切って行くなか、これは朝ドラへの「揶揄」なのかリスペクトなのか、見定めようと見る時間は長い。だが追いかけた問いへの答えを与えられる事はなく、ただいつしかドラマが生むカタルシスに同期しているという奇妙な感覚があった。
    部分的な詰めの甘さ(特に笑わせるポイント)を感じるも最後には辻褄を合わせる柳井作品の味が、中サイズの舞台でうまく出せていた。

    ネタバレBOX

    戦前のある時期に始まる、とある茶舗の年代記。リアル脱線の小波とは、二代にわたる茶舗の女将の物語で、なぜ二代目は姉でなく妹が継ぎ、姉は未婚の身で小姑のようなのかの理由が説明されていないのがその一例。これを「ヒロインは若くて華がなければならない」朝ドラというものの輪郭を示す敢えての設定(による揶揄?)と読めなくもなく、保留状態(揶揄なのかリスペクトなのか判らない)が延長される。
    ところが大団円にて「朝ドラ」的感動の曲が流れると、つい「感動」の構図に巻き込まれ、場内は大きな拍手が起こる。ドラマの外側から内側へ、誘導されているわけである。
    ただ、その効果を含めての「朝ドラ」揶揄ではないのか?・・という余地を疑わしげに反芻してしまう。(何せタイトルになってるので。)

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    2019/05/19 02:37

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