満足度★★★★
劇団名は言はずもがな劇タイトルも独自思考が滲む劇団(個人の感想)を初観劇。
予想に反して役者力あり、エンタメ性あり、もっとも解読困難な混み入ったストーリー、だが娯楽重視らしく「物語」は役者の飛躍からステロへ着地する演技と雰囲気をヒントに、流れに乗って観られる。
作劇は、相互に微妙な接点のある5、6組の対話(ほぼ2人一組)がリレーしながら快速で走行、数組の逸話がどう繋がるのか判らずもどかしいまま、しかも二つの異なる次元(時代)を跨ぎながら場面としては隣接して展開し、その事態の観察者であり渦中から脱しようとする者(主人公的グループ)が、今見ている場がどの次元の話なのかが判らないらしいという事が観客に判るまでの滞空時間も結構長い。事態は冒頭より何やらドラマティックに、面白おかしく展開するが、事態の推移は見守るしかなく、思わせ振りでクリアな演技で役者らがこの滞空時間を甲斐甲斐しく繋ぐ訳である。
ミステリーな物語の裂け目から世相への皮肉が覗き、馬鹿馬鹿しい騒ぎの末絡まりに絡まった糸が解けると、元来利害相容れない者らが(図らずして)困難を共に克服して大団円を迎えるという、「構造」だけは王道、テイストはかなりの程度亜種な人情喜劇。