満足度★★★★
牛久沼のうなぎの壮絶な奪い合いを3編に亘って見せた、横に広いだけの体育室のようなペガサスホールが、普通の劇場のように階段式座席が組まれ、袖もあってなんと立派な(?)舞台装置も組まれたステージ。客演黒田大輔も加わり「どんなスゴイ話なんだ」と熱気の高まる中、始まった劇は、川上友里子の語りでのっけに膝折れを食らわされ脱力(笑い)。そしてほりぶんならではの感情過多(笑い)、膝折れ(笑い)、また感情過多(笑い)を繰り返し、それらが過剰演技(笑い)で繋がれ、腹筋が疲れる。そして最後は絶叫の域へ。
この笑いはなんなんだと毎回思う。王道の笑いではなく時代性との緊密な距離感で発生しているように感じる。
「本気」である事を冷笑、もしくはそれと距離を置く時代は既に長く、一方本気でありたい願望は皆しもある。渦中にある人生に憧れ事後的に本気を求め旅する自分探しの時代、「本気」と「私」との微妙なありようを特徴とする現代、「本気である」表現を過剰な演技で行なうほりぶんの芝居が笑えるベースがここにあるに違いない。それにしても展開の読めない怒濤のような1時間ちょいが終わってみると幻のようである。