満足度★★★
演劇情報サイト・コリッチのチケットプレゼントに当選したので、4月26日午後、日暮里のd-倉庫で上演されてENG第九回公演『Second you sleep』を観てきた。この公演は出演23人11人が
ダブルキャストで行われ、自分が観たのは碧チーム。
物語の主人公はカイマであり、彼の存在を浮き出させるのがトキとクイナ、そしてカイマの医師としての師匠である官軍派の村医者と御典医松本であり、あらすじにあっる新撰組三番隊隊長斉藤の存在は、思っていたより思いものではなかった。
総じてテンポの良い台詞回しと殺陣で舞台は生き生きとしてはいたが、残念ながら脚本が大雑把過ぎて、気持ちが物語にのめり込んで行くにはちょっと力不足の感があった。ただ、自分と違いのめり込めた観客もかなりいたようで、舞台終盤には鼻をすする(つまり涙ぐむ)音が耳に入った。
自分が不満だったのは、舞台の結末。どうも話を広げすぎて締めくくり方を難しくしてしまったように思えた。なぜ幕末の出来事なのか、カイマが周りの人々から距離を置かれていたのかが曖昧だったのが悔やまれる。そのあたりを丁寧に描いてしまうと、2時間をゆうに超える作品になってしまうだろう。もう少し、焦点を絞った作品作りが望まれた。
役者たちの演技はなかなか。特に、クイナの楠世蓮とトキの松本わかはの存在感が目立ったように感じた。