満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/25 (木) 20:00
A Version。79分休憩なし。
2話オムニバス。
「ペルソナ・サークル」
最初、役がコロコロと代わるし、とにかく人数が多いし、性別も関係なく役が代わるものだから、覚え切れないこともあって何だかイライラが増してくるのだが。探偵の種明かしのあたりからは、もう笑いが止まらなくて、周りを気にせず一人笑いよじれてしまった…。
こういう「芝居の世界の壊し方」って、初めて観たかもしれない。確かに、ネタバレしたら面白くない。「その他大勢の没個性」っていうのは、何だか一つテーマになり得るような気もする。フラフラと軸を揺らされながら、心地よいカオスに迷い込ませてくれた。
「海月は溶けて泡になる」
いわゆる「出オチ」じゃないか、と思ったが、そこから展開する物語が、とても深くて、切ない。
価値観やモノの見方の違いからくる、本当にどうしようもない「分かりあえなさ」。そんな、誰でも陥ってしまいそうな「思い込み」と「分かりあえなさ」が、とても目立って効いていた物語だった。
「エリが自分勝手」っていう結論に見えてしまいそうなのが、自分的にはとても痛くて、見ていられない部分だった。確かにエリは自分勝手なのかもしれない。でも、今はこうして、舞台として客観的に三人の関係を観ているけれど、自分がその渦中にいいるとき、自分が客観的にモノをみているかどうかなんて、どう判別できるのだろうか、などという考えが頭をよぎる。
30分の短編なのに、いろいろな事を考えさせられた時間だった。