満足度★★★★★
おのれの心情に揺れ動き、必死に生きる様を、時に残酷に、時に笑いも交えつつ、
脚本・演出・キャスト・舞台美術等が、繊細に表現している。
幕末の東北を舞台に、新政府(官軍)側と旧幕府 (賊軍) 側の対立に巻き込まれて、
意図せず、あるいは意図して、【変わって】行く人々。
官軍・賊軍。
市井に生きる〈人々〉・人、以下とされた〈モノ〉。
異なる方針で、医療に携わる者達。
中心人物のひとり、カイマは、下賤 (げせん)の出自。
その当時の身分制度により、蔑まれ、忌み嫌われた者。
人と、それ以下とされ、両者は距離を置き、心から交わる事はなかった。
だが、彼の純粋すぎる想い・実直な行動が、
交わる事の無かった人々を、次々と巻き込み、
隠された心情を晒し、良くも悪くも、
それらの状況を、否応なしに変えて行く。
諦め、卑下していた、自分自身の立場でさえも。
いのちは、ある意味では平等で、
官軍であろうと、賊軍であろうと、
身分が高い者でも、低い者でも、
同じように、命の危険に晒され、はたまた、助かりもする。
解り合えたはずが、避けられたはずが、
悲劇の道へ、進んで行ってしまうのが、とても切ない。
その一瞬を分けるものは、こころは、何だろうか?
キャスト陣の熱量が凄かった。
生きていた。悲しく深く。
まさに命の取り合いで、
キャストの気迫が、真に迫っており、
登場人物たちの、命の行方を、固唾を呑んで、見守った。
物語が進むに連れ、自然と涙が溢れ出て、止まらなかった。
観劇直後は、タイトルに有る、youの意味を、
物語終盤、最後に亡くなる人物達の事、のみを指すのかと考えたが、
少し時間をおいて、再考してみた所、もしかしたら、
この作品の中で、命を散らして逝った、
諸々の人それぞれの、
いのちの瞬間の事を指すのかもと、思い至った。
忘れないで欲しい、だいじな瞬間であると。
second(秒)瞬間。
you あなた(達)が。
sleep (永遠の)眠りに着く。
とても良き作品でした。ありがとうございます。
ENG 「Second You Sleep」2019年版
2019 4 25 (木) 14:00の回
翠すい チーム 観劇
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2019 4 29 月 10:20
トランクウィル 記する
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