R.U.R. 公演情報 ハツビロコウ「R.U.R.」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    コンパクトにまとめられた味わい深い素晴らしい舞台でした。
     

    ネタバレBOX

     余計なものを削ぎおとし、伝えたいものだけを残した演出で魅せるチャペックの作品を堪能しました。

     危機迫る臨場感に溢れた役者皆さんの迫真の演技に最初から引き込まれました。

     物語は、ヘレナが島の研究所を訪れ結婚して10年後からの展開で、ロボットの反乱が起きる.....
     ロボットの感情を持たない1か0か、何の躊躇いもなく殺してしまう残忍さと、ロボットに人間の習性を学習させることで、人間の感情が生み出す愚かさや過ち、身勝手な考えや憎悪、敵対心、如何に文化が進化しても繰返えされる(歴史)変わらぬ争い等、ロボットが人間の考え方に矛盾を感じとった時、起こるべくして起こる事態!? 
     創造主は確実に制御(停止)することが出来るのか!?
     ロボットが平和(秩序)を守ろうとするために人類が滅亡することもあるかもしれない.....
     また、ロボットの便利さが人間の機能そのものの進化を止め、逆に退化させてしまうのではないか…
    少子化の進む現代の問題にも触れているような...
     そんなことをロボットをとおして教えているようにも思えました。

     書かれた当時こそロボットの製造方法のマニュアルがなく、右往左往していたかも知れませんが、今や目的の認識でいくらでも自ら学習し、それ以上のものを創ってしまうことが可能なレベルまで達してしまっていると思うと、人工知能搭載ロボットの機能や目的、方向性や倫理観が開発者の考え方次第で100年も前に書かれた預言書とも言える戯曲が事実のものになりかねない恐ろしさを感じました。

     ラストシーンには、最後に作られた未完成で人の純粋な心と未熟さ(未知の可能性)を持ち合わせるロボットに、相手を思いやる気持ち自己犠牲や愛、喜怒哀楽の感情など、未来に希望の光を残す(役者選出も)演出もとても良かったです。

     見ごたえのある素晴らしい舞台でした。

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    2019/03/30 07:23

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