3作各々作風はまるで異なるが、自分が最も気に入ったのは、3作目。因みに上記は上演順に並べてある。3作目を除き、一体ホントに描きたいことがあるのか? というのが率直な感想である。表現する内的必然性や衝動を感じないのである。表現する者としては情けない限りだ。 いつの頃からか、この「国」では内的衝動を持った表現者が殆ど居なくなってしまった。ギロッとしたものが端から無いのである。本楽表現する者は、表現していなければ狂うか、自死するかさもなければ無頼・犯罪者として生きるかくらいしか選択肢の無いアウトローであった。が今は、狂気も、引き裂かれ懊悩するが故の思惟や哲学もなければ、情熱も、狂熱も無い。あるのは唯小手先のテクとこれまた浅薄なパースペクティブだけである。結果、詰まらない! ① はアイデンティティの崩壊が別世界との入れ子細工で繋がり得る部分、日常としては異常であり、「異界」と通底する部分が重しとなって作品自体の空虚を浮かび上がらせると取る事も可能ではあるが、夢と現というありきたりにも堕しかねない。精神病院を物語の進行する場にしたら面白かっただろうが。☆3つ ② はleaveというタイトルとは全く反対に、呆れるほど去らないばかりか、気の利いたアイロニーも骨身に沁みるような納得感も得られないばかりか、ひりつくような自己嫌悪もなく、唯、吐き戻すグロとその伝染ばかりが主筋を為して、最も印象の薄い作品になってしまった。役者陣が可哀想である。☆3つ ③ 無茶苦茶な論理で殴り込みを掛けたチンピラが行き着いたのは場末のラブホという設定もグー。チンピラが押し込みを掛けたのは、彼の敬愛する先輩が何者かによって殺され、その殺人犯がこのラブホに逃げ込んでいるとの情報を得たからだった。ここから先は、終演後発表する。☆4つ