満足度★★★
始まってすぐ、「議会」と「勧進帳」が大声で怒鳴っているが何を言っているのか分からない。オープニングのアクセントかと思ったが本編に入っても相変わらずだ。肝心の会話にも論理の冴えがまるで見られない。大体「憲法違反」が出た時点で終わる話を何故か引っ張っている。ここに至って、これは何かを真剣に議論する劇でないことを悟った。さらに、補助金の存在などの裏事情が明かされて、これはむしろ「現実の会議なんてこんなものよ、真面目にやる意味なんてないよ」と主張する「反会議劇」あるいは「現実会議劇」とでもいうべきものだと結論した。feblaboは「ナイゲン」も上演しているのでその真逆の(屁)理屈の全く通らない会議を描いたのだ。
もっとも「会議劇」の部分はこの弁当の一番大きなおかずではあるが、他にも青春劇、政治劇などといった小さなおかずも乗っている。しかしここで出てくる日本の困った事情は誰でも切実に考えているもので改めて言われても困惑を繰り返すだけだ。
さて、しばらく時間をおいて、あの無意味な怒鳴り合いを考えてみると、芝居においても現実においてもそれは虚しいものだと言いたいのではないかと思うようになった。そうでなくても何か意味はあるよね。