満足度★★★★
楽しみにしていたブス会を、芸劇で観た。芸劇での上演は初めてでなく、以前は普通にステージを組んだ形で、確か「女のみち20○○」を観たように思う。今回はゲージツ色豊かに?、モダンスイマーズ3部作を連想させる張出し装置(三面客席)で、奥に欧風の石積みの城のバルコニー、そこからなだらかな傾斜で手前まで同色(グレー)の敷石が攻めているあまり見た事のない美術だった。
自分としては見た目イマイチな装置で(これはサイド席からの見え方のせいかも知れない)、過去・現在とシーンがその場で転換する芝居の装置が抽象的になるのは判るが、高嶺の花として象徴的に赤く咲いたエーデルワイスと、お城の存在が重複して意味を食い合っているのがオープニング前から気になった。
一番手前と一段高い二番目がフラットな演技エリア。直方体の箱(床と同じくグレー)を動かして喫茶店のテーブルやベッドに見立てたりするのは機能的だが、やはり全体の景色(色と形状)がしっくりこないと、演じられるシーンも絵の中にうまく収まらず、開幕して暫く心地が悪かった。
芝居の方にそれがどう影響したか・・は自分的には大きいが、芝居の中身は軽妙に語られる「ある女の物語」から、私小説的なリアリズムへと人間描写が深まり、ペヤンヌ・マキの領分に引き入れた(と思しい)所からぐっと見せられてしまった。
女性の目線からはこの舞台はどう見えただろうか。。