メアリー・ステュアート 公演情報 ZASSOBU「メアリー・ステュアート」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/03/06 (水) 19:00

    下北沢の小劇場楽園でZASSO-BUの「メアリー・ステュアート」を観る。
    生涯一度も会うことの無かった二入の女王が、もしも会っていたら・・・、
    という想像力の生み出した戯曲が力強く素晴らしい。
    二人の女優が切り替えも鮮やかに、4人の登場人物を演じ分ける。
    結局44歳で断頭台の露と消えるメアリーの生き生きとした台詞が哀しい。

    ネタバレBOX

    生成り色のゆったりとしたドレスをまとった二人の女性。
    スコットランド女王メアリー(樋口泰子)と乳母のケネディ(江間直子)が、
    次の場面ではイングランド女王エリザベス(江間直子)と侍女ナニー(樋口泰子)になる。
    場面を入れ替えながら交互に演じるこの形が、二人の人生と価値観を際立たせる。

    理知的で冷静、生涯独身を貫き女王として生きたエリザベス。
    一方最初の結婚、フランス皇太子が不幸にも早世したために未亡人となったメアリーは、
    スコットランドへ帰国後、次々と奔放な恋愛模様を繰り広げる。
    そしてついに追われる身となったメアリーは、イングランドのエリザベスを頼るのだが
    一向に面会は実現せず、実に19年間の幽閉生活を送ることになる。

    立場の違いはあるものの、それぞれが抱える葛藤と矛盾は
    現代の女性にも共通するところがあり、普遍性を感じる。
    幸せのひとつの形でありたい結婚も、国策や権力、支配欲にまみれて見通しが効かない。
    その中で、エリザベスは結婚に価値を見出せず、
    メアリーは“間違いだらけの男選び”を繰り返す。

    残虐な公開処刑が“エンターテイメント”と化している時代に
    常に斬首と隣り合わせで生き抜いてきたメアリーの腹の座り方はすごい。
    だが同時にエリザベスを信じて便りを心待ちにする純粋さも持ち合わせていて
    このあたりが稀代の悪女と言われながらも魅力的な女王なのだと思う。

    演じる二人の女優が魅力的な声と豊かな表情で、台詞が心地よく入って来る。
    歴史的背景を知って観ると、二人の崖っぷち感が一層迫って来る。

    (私が体調イマイチで集中し切れなかったことが悔やまれる。
    ところどころ飛んでしまって自分でも情けない。)

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    2019/03/08 00:52

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