満足度★★★★★
何といっても役者がいい。ちょっとした間や所作で、舞台が一気に活気づく。演劇はまず俳優を見るものだと再認識させられた。話としては幼なじみの三人の男女のの20余年ということになる。この縦糸に、いじめやひきこもりや、初恋と失恋や、親たちの不幸な死や、えげつない東京生活やが横糸としてからむ。この横糸のエピソード一つ一つが結構切なくていい。これら印象的な横糸が、経糸でしっかりつながっていることがこの舞台の骨格を強くしている。
音楽劇であることもよかった。セリフは少なめなのだが、パフォーマンスとして楽しめたし、メッセージとしても伝わるものがあった。「知らない人でいこう 出合いなおそう」なんてフレーズはぐっとくる。
多分台本を読んでも何もわからない芝居。俳優が演じ、歌い、ひとつの舞台になって初めて見えてくるものばかりだった。DVDかテレビ放送があればぜひまた見たい。
2019/03/05 14:31
こういう舞台の観方が少し分かった気がしました。