ドキュメンタリー 公演情報 劇団チョコレートケーキ「ドキュメンタリー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「キビるフェス2019」(福岡きびる舞台芸術祭)のチラシで劇団チョコレートケーキの公演が来るのを知り、すでに観た『遺産』に続いて観に行くことにした。

    -その感染経路の一つは『薬』。-

    1985年、後天性免疫不全症候群いわゆるAIDSの脅威が
    日本の水面下に拡大しつつあった。とある製薬会社の社員の一人がジャーナリストに内部告発を行う。そしてジャーナリストと社員は日本医学界の深い闇を知る・・・(パンフより)

    たった3人の役者で、歴史の中に埋もれた社会悪を描く力技とも思える手法だが、次第に解明される謎に、どきどきしながら食い入るように観た。フリージャーナリストの彼が聞き取り取材のために、調べておいた経緯をテープに吹き込む設定が、説明台詞を感じさせず、状況を上手く観客に伝えてくれる。
    内部告発を決心した社員の動機に当事者にならないと、人の気持ちは揺れ動かないのだと気づかされる。
    いかにも人の良さそうな小児科医を岡本篤が演じる。元製薬会社役員であり、戦時に人体実験を繰り返した医師である。
    「人は医者の言うことは、信じますからね。」という台詞に愕然とした。信じなければ治療のために自分の体を委ねることができないではないか。真理の究明のためには人間は材料だ、なんて思われいるとしたら・・・。
    怖くて医者にはかかれない。
    3000人もの人体実験をした人間の手に、私たちの身体は委ねられてきたのだろうか。

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    2019/02/19 16:15

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