満足度★★★
■約120分■
極めて特異な幼年期を過ごした女の一代記。劇構成を緻密に作り込んでから書き始めたのだとしたら申し訳ないが、脚本が行き当たりばったりで成り行き任せな印象。継起する出来事が強い必然性では結ばれておらず、出来事を並べただけのストーリーは客を前のめりにさせるだけの吸引力がない。着地のさせ方が上手いために、エンディングではいい劇を観たような気分に危うくなりかけたが、全体の構成はやっぱり魅力に欠け、途中からダレてしまった。
コメディを謳っている割にギャグもいまひとつ。無理やりひねり出したようなギャグや飛び道具的な笑いが目立ち、さらなる精進を期待したいところ。
ただ、さそうあきらの漫画に出てくるような、腕白女子というか、自然児のようなヒロインは魅力的。演じ手の女優のサッパリとして快活な演技が、役にさらなる生彩を与えていた。