満足度★★★★
鑑賞日2019/02/06 (水) 14:00
価格3,000円
変わった生い立ちの俳優がいるということでテレビの女性ディレクターから取材依頼を受けた前田勝はその取材を通して亡くなった母のことを調べようと思い……な物語。
前々回公演「クラゲ図鑑」(2017年7月)と同じ題材で、その時は自らの特異な体験を演劇化し観客と共有するということ(とその内容)に衝撃を受け、芝居本体もかなり重くしんどく感じたが、今回は演劇として昇華させた印象で「クラゲ図鑑」を観たことにより内容をある程度把握していたこともあって「演劇として」観ることができた。
「もしもあの時、ああすることができたら良かったのに」な事柄を過去に遡って実行する、というのは時間ものフィクションの定番の一つだが、現実世界に於いてそれを少し違った形で実現するとはお見事、というか恐れ入る。そして亡き母の供養であり鎮魂歌的なものでもあると受け取った。