満足度★★★★
鑑賞日2019/02/05 (火) 18:30
座席1階
ご存知宮沢賢治の物語。初日に拝見した。悲しいラストシーンだが、「思い残し切符」によってその悲しみが少しだけ希望に変わって受け継がれていくように思える。
井上ひさしはこの物語を丁寧に編んでいる。東北の農村の喜びや悲しみを、そして賢治が作ろうとしたユートピアを。全二幕、3時間半に及ぶ長い舞台も、思いがこもっているだけに食い入るようにみてしまう。
主演の宮沢賢治役、松田龍平は意外なことに舞台初出演という。彼らしい淡々とした演技で宮沢賢治らしいのだが、長丁場だけにちょっと棒読みっぽいところも。賢治の父親や賢治をつけてきた刑事役の山西惇は意図的だと思うが松田龍平よりかなり声が大きい。それはそれで成功していると思うが、むしろ、定番のテレビドラマ「相棒」のテイストでやったらどうかとも感じた。