満足度★★★
横内謙介による1986年の戯曲。何度も上演されている。2017年12月には音楽劇としても上演された。
1986年というと新聞勧誘員がいろいろ問題を起こしていたころで、ほとんどヤクザの副業とみなされていた。どうしてそれが主人公なのか?そして放火魔であるという。全くわからない。まあ放火についてはいろいろと事情があるのかなあと想像されて若干免罪されるのだが。新聞勧誘員という設定はどこで必要なのか結局分からず。
そんなことで悩みながら観ていたのだが、皆さん若いのとファンタジーものなので学園祭のように感じてしまって物語に入り込めない。面白さを感じたのは半分も過ぎてからである。「正義を守る者は他の誰よりも血にまみれている」というセリフもあって嬉しくなるが、声を気張ってもやっぱり説得力は感じない。もっとも終わってみると何となく全部があるべきところに収まって余韻に浸ることができた。