29回公演 フェードル 公演情報 うずめ劇場「29回公演 フェードル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/01/25 (金) 19:00

    古典悲劇の名作を、東京アートミュージアムというちょっとした異空間で上演。
    ピアノと1脚の椅子を除くと何もない殺風景な舞台だが、和の着物を使ったり、ファッションにも配慮した展開は、むしろシンプルイズベスト。皆さん、ピアノがお引きになれるとは、器用な方が多いのですね。

    2時間ちょうどの舞台は、時おりユーモアも含みながら、破綻なく怒涛のように進み、パンフに引用されていたハンナ・ミュラーの言葉通り、力を与えてくれる悲劇でした。

    ただ1つ残念だったのが、アテナイ王テゼーを演じた荒牧大道さん。後半登場するとただただ単調に大声を張り上げるだけで、王としての威厳、抑制することで漏れてくる苛立ちや怒り、周囲へまき散らす猜疑心、なんてものが全くなく、ただのガンコ親父にしか見えない。
    荒牧さんは何度か、舞台で拝見しているのだけれど、それに気づいたのは終演後の挨拶の時。そう、あの素の整った低い声を聞いた時でした。なんだ、その声でさらっと演じてくれた方がどれほどよかったか。


    ネタバレBOX

    フェードルの情熱が招き寄せた、周囲の悲劇は、ラスト自らの命を絶つという結末に至るのだけれど、そこに至るまでの各自の心情が緻密に描かれているがために大仰にならず、物語りの集約感が際立つ。

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    2019/01/29 17:15

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