満足度★★★★★
serial numberとしての最初の公演は、密度の濃い二人芝居の三連発。
それぞれの世界観がきっちりと立ち上がって、このユニットのこれからが楽しみになった。
『next move』
同じ歳の2人の若者の成長を追いながら、それぞれの人生や将棋への想いが1つの勝負に集約されていく。2人の個性の違いと互いに向けた複雑な感情が鮮やかに描かれ、過ごしてきた日々の確かさが、最後の瞬間の切実さを際立たせた。
『nursery』
翻訳物のような雰囲気をまといながら謎と愛憎の森深く分け入るように進んでいく。
ミステリーめいて真実へとたどる道筋の面白さと、2人の登場人物の関係が揺れ動く様子が魅力的だった。
『ROBOTA』
ロボット技術者である兄と弟の会話を通して、 痛ましい出来事とそれに対してそれぞれが抱く想いが描かれていく。無惨な出来事を振り返りつつ諦めずに説得を続ける弟の言葉によって、兄の消えない痛みが希望へと昇華される瞬間が胸に沁みた。