満足度★★★★
テロリストにハイジャックされ、7万人の観衆が集まっているスタジアムに突っ込もうとする旅客機を命令に背いて撃ち落としたパイロットが殺人罪に問われている。
我々観客もその裁判に参審員(一般市民から選出され、裁判官とともに評議を行い、事実認定や量刑判断を行う)として参加しているのだ。
事件の様子や背景が人々の言葉によって次第に立体化され、いくつもの視点が加えられていく過程は本当にスリリングであった。
上演時間のうち大半は客席も明るく照らされて、我々もこの物語の一部であると感じさせられた。
そういう枠組の面白さに加えてキャストはそれぞれ素晴らしく、それを観られただけでも行った甲斐があると思えた。