満足度★★
一言で言うと、好き嫌いは分かれる。
個人的には前公演でも、感じた「テイストは好きな部分があるけど、100%好き」とは断言できない、もどかしさを今回も感じた。
文語でやるとうたうのなら、もっと、きっちり仕上げて欲しいと今日(6/21マチネ)の公演をみて感じた。
文語の馴染みの無さを台詞を多く噛んでしまう場面が、
私が観劇した回に多く見受けられた。
「嘘」の世界を想像させたいのなら、現実に引き戻す様な失敗は有ってはいけないと思う。
物語は、ヒトの愚かさ、弱さ、そこから引き起こされる「戦争」の結末。
いつの時代も、権力者は多くの犠牲を生み出しても、なおも同じ過ちを繰り返す。
何もかも奪う悪魔の様な爆弾を落とす過ちもそうだ。
劇中、神というワードが多く出る。
神があの鳥かごを作ったのか?
神が権力の争いの行く末に
多くの犠牲を生み出したのか?
神はいないと思う。
全て、人間が引き起こす愚行なのだから。
物語は日ノ国のお話。
チヨとニニギのある種の悲恋。
幼き二人は日本でいうと宮家と将軍家のような立場で
互いに権力のある家の人間のよう。
チヨは自らの国に留まり
ニニギは兄弟や、家臣とともに亡命したようだった。
冒頭
二人はまた、再会する契りを交わす。
チヨは赤いまあるいペンダントヘッドをニニギに渡す。
そして、美しかったラストシーン。
そのペンダントは白いワンピースを着て
蘇ったチヨが首から下げるとまるで
主人公のチヨがまるで、たなびく某国の旗のように凛として、立つ。
白地に紅く、日の丸染めて。
想像してみよう。彼女がせめて、新しい国で笑顔になれるようになったとしたら少し、心が救われるような気がする。
劇中に「怒り」「悲しみ」など多く渦巻くが
私はそれを疑似体験することは無く、一つの立体的な絵巻物を
読み進めていくような感覚にもなった。
そう、物語を読むと
その紙のもう一枚むこう側に自分を配置して
その物語を読むことがあるみたいに
劇中の謎。
武器に見立てた傘の色が
白から赤へ、赤から黒へ変化していく。
この意味合いはなんだろうか?
特に意味はないのかしら。
白から赤へ変化したのはその色の分、人を殺めてしまった数が
増えていったのからなのかと、解釈。
その後、黒になったのは、何故だろう?
あと、劇中の閣下と仕える大臣たちは
ある意味息を抜くことが出来るポジション
もっと、笑っても良いと思える場面もあったが
消化不良なのだろうか。
裸の王様、がんばれ!
イワモトさんのテイストは好き。例えば色の意味の持たせ方とか。
きっと、草原の中に何個もトリックを仕掛けて観客がそれを見つけた時に「ふふふ」って笑うようなヒトじゃないかなって勝手に「想像」してみたり。
きっと、私が「これは、ダイスキ」と思うことが出来る
ホンや、公演がうまれると思うので
また、次回も観る事が出来たらいいなとおもう。