犬(もしくは)神 公演情報 劇団肋骨蜜柑同好会「犬(もしくは)神」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    千穐楽の24日14時半開演回を拝見。

    自らかけた呪詛の首輪から解き放たれて、ある者は日常を離れて駆け出していき、ある者は日常に溶け込んでいく結末に、不覚にも⁈涙腺を刺激されてしまった130分。
    しっかり練られた脚本・(舞台美術、照明、音響も含めた)演出に、前回観た時よりもセリフも所作も充分に練れて伝わり具合が半端なかった、カラダだけでなく脳みそでもしっかり稽古を重ねた(と思える)キャスト達の演技を観てしまうと、コレと同じチケット代を設定された公演への視線も自ずから厳しくなるだろうな、と苦笑いせざるを得ない。

    ただ少し気になったのは、前作『草苅事件』のときは、感想ツイートは称賛が多かったとはいえ、賛否分かれていた感じだったのに、今回は(自分の知る限り)称賛一色。本作は観るヒトを選ぶ作品だったのかもしれない。

    【追記】
    プロレスラーとしての顔も持つ、井戸刑事役の室田渓人さんのおかげで、本公演、幾人かのプロレスファンが観劇なされ、終演後の感想はいずれも好評。このように、他ジャンルのファン層に演劇に触れてもらえることは、小劇場界隈を徘徊しているイチ観劇オジサンとしても喜ばしい限りだなぁと。

    ネタバレBOX

    最後に配役について触れておく。

    ミカ(ポルノライター。実は枝折でもある)
    …久保瑠衣香さん(初見は「恋の手本」だが、明確に意識したのは「愛の技巧…」から。頻繁に舞台で拝見している方)

    ヤスオ(ミカを担当する編集者)
    …藤本悠希さん(「プラスチック・ピノキオ」以来かなぁ?)

    古堅桃蘭(ふるかた・とうらん。偏食症の口うるさい民俗学者)
    …菊地奈緒さん(「セイラム」での主婦役、「害虫」での長女役)

    須高道成(すだか・みちなり。古堅准教授の助手、過去や未来に夢でシンクロできる能力者)
    …坂井宏充(さかい・ひろみつ)さん(「とりゅふ」での社員役/お兄ちゃん役)

    物部ぬい(ものべ・ゆい。中学3年生。実は四国出身の犬神持ち。枝折の死?に負い目がある)
    …森かなみさん(「プリティゴーレム」以来、すっかりお馴染みな方)

    蘇我千歳(中学3年生。桜梨の気が触れたのは、ぬいのせいだと思い、彼女を薬剤で脅していたところ、誤って隼太の左目に…)
    …澤原剛生さん(所属の劇団普通は勿論のこと、数多くの客演舞台で拝見する方)

    賀茂隼太(かも・はやた。ギター好きの寡黙な中学3年生)
    …高村颯志(たかむら・そうし)さん(「うらみつらみ」で刃物を突きつけられていた方)

    藤原朱鷺子(ふじわら・ときこ。利己主義な中学3年生)
    …依田玲奈さん(初見は初演の「肥後系 新水色獅子」らしいのだが、意識したのは「恋の手本」での書道の達人から。以降、何度も舞台で拝見)

    秦桜梨(はた・おうり。千歳のカノジョのようで、実は隼太に片思い。隼太が思いを寄せるぬいに嫉妬する中学3年生)
    …大田彩寧さん(しあわせ学級崩壊の舞台で拝見)

    民宿やまのべ壮の主人(実は、大人になった隼太)
    …目崎剛さん(たすいちの主宰さん)

    民宿やまのべ壮の女将(実は、大人になったぬい。隼太の妻)
    …加藤なぎささん(「狂犬百景(2016)」のゾンビ好きなOL役以来、何度も舞台で拝見している方)

    川原蓬(かわはら・よもぎ。農家の娘。後に光治の妻に!)
    …窪寺奈々瀬さん(「ゼロゼロゼロ」の死体始末屋姉妹の姉役以来、何度も拝見している方)

    浦路光治(うらじ・みつはる。神社の管理人)
    …アンディ本山さん(今回の座組で、唯一、お初な方)

    井戸初男(十数年前の枝折の事件を痛恨事に思っている刑事)
    …室田渓人さん(「再演版・東京ドーピング2020」以来、何度も拝見している役者さん兼プロレスラー)

    吉良幸恵(井戸刑事の部下の巡査)
    …小島望さん(「狂乱フリーク」から存じ上げている、今回の座組の中で一番多くの舞台を拝見している方)

    畔見無有子(くろみ・むゆこ。医師。蟲毒の使い手。不老不死?)
    …星澤美緒さん(たすいちの舞台で拝見した女優さん)

    坊一郎(妹の枝折を手にかけた、不肖の兄)
    …フジタタイセイさん(「イける☆この頃」のダメな先輩役以来、ずっとなんだなぁ…と遠い目にw)

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    2018/12/24 17:38

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