満足度★★★★
「白煉~びゃくれん」「水沫~うたかた」そして本公演「紫雲~しののめ」をもって平安時代末期の朝廷・公家中心の時代に武士が台頭してきた社会…その叙事詩(題材は平家物語中心)は完結したかのようだ。朝廷・公家による政治と武家社会を確立しようとする、卑近な例で言えば階級闘争または改革のような守旧・新興勢力の主導権争いといった社会情勢、その潮流に飲み込まれた人々の心情を柱に描いた三部作のようだ。
物語は人物の心情情景に重きを置き、時代の趨勢はあまり感じられない。あるとすれば、「白煉~びゃくれん」にも登場する後白河院の動静であろうか。
(上演時間2時間)