逢いにいくの、雨だけど 公演情報 iaku「逢いにいくの、雨だけど」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    評判が良いので観に行った。口コミの影響大。
    今年やった過去作品集のウェルメイド臭が、最近の戯曲(「エダニク」以降今作で6作目だろうか)では殆どみえず、(作者にはどうか知らぬが)私には大きな違い。今作も然りであった。
    しかし、思わず「うまいナ」と(悪い意味でなく)呟いてしまうものはある。シーンの切り取り方、役者の使い方。今回は上田一軒でなく作者自身による演出、悪くなかった。
    作劇としては、大きく二組に分けられる当事者(要は被害者と加害者)の、過去の出来事のあった時間と、現在の時間それぞれを細切れに重ねて行くように描き、「出来事~現在」の時間が徐々に濃厚に形成されていく構造が優れている。何より、私たちの殆どが経験しない出来事を実感的に追体験するための(想像を促す)時間をじっくりと用意してある事。早急に答えを出そうとするような存在と、そうでない当事者とのやり取りの中で、当事者がどういう実感を持ち、過去から現在への時間を刻んで来たのか・・容易には分らないにせよ、その「想像されたもの」が展開のベースになり、観客が舞台から得るものとなる。
    そして役者は、能う限りの精密さで感情を表出し、「そこで何が起きているのか」を雄弁に知らせる。そうして出来上がった幾つかのシーンが記憶の中に珠のように煌いている。

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    2018/12/09 03:26

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