満足度★★★★
夜間中学ものは大昔にTVのドキュメンタリーとかドラマでよくやっていた気がします。こういう地味な感動ものは演劇の題目の王道の一つで、この舞台も私の期待や予想からほとんど離れないものでした。若いころは「(悪く言うと)感動の押し売り」には馴染めませんでしたが、年齢をとって許容範囲が広がったのか、こういう人生もあるなあと自然に観ることができました。役者さんの年齢の幅も広く、演技も的確で自然に引き込まれて行ったことが「押し売り」感を低減したのでしょう。
ウィキペディアによると2014年には生徒の8割が外国人だということで夜間中学は全く違うものになっています。この舞台も30年前の設定ですが、もうこの先この内容では現実の状況との乖離が大きすぎて公演は難しくなるでしょう。興味を持った方は今のうちにどうぞ。
ところで「みなみ」さんが書かれたこと:
「話すことでも、書くことでも気持ちが伝えられない時はどうしますか?」という先生の質問にたった一人手を挙げた道郎君でしたが、あの答えには納得できません。
に私も同感です。抽象的で美しい言葉は空疎な自己満足になりがちです。そんなオチは要りません。カーテンコールの後で先生が出て来て黒板の前で何かを確かめるようにしてまた戻って行くのも余計な演出でした。