善悪の彼岸 公演情報 ワンツーワークス「善悪の彼岸」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/11/27 (火)

    中野ザ・ポケットにて ワンツーワークス『善悪の彼岸』を観劇。
    何となくの漠然としたイメージはあるものの、掘り下げていくと謎が多くその在り方さえも賛否が分かれる“死刑”をテーマとした作品。ワンツーワークスさんの作品観劇は昨年6月の『アジアン・エイリアン』以来およそ1年半ぶり3回目。元新聞記者の方が主宰を務める劇団だけあり、毎回様々な社会問題を独自の視点で描いた作品が多い印象がありますが、今回もとてもディープなテーマを扱ったこの劇団さんならではの公演だと感じました。
    今年大きな死刑執行のニュースがあったばかりなので、死刑に対するイメージが今までの完全なる漠然状態から多少予備知識を含んだ状態まで進歩?したつもりでいましたが、予備知識があったからこそ理解出来た部分があった一方で、結局まだまだ理解出来ていない部分も多いなと改めて痛感した作品でもありました。死刑囚はそれ相応の罪を犯したという事実が存在するものの、それぞれに親がいて家族がいる。また、死刑執行を下す者、実際に現場で死刑執行ボタンを押す者、更には死体を処理する者などにも同じく親や家族がいる。立場は違えど同じ人間であるという感情を抱くと、死刑制度そのものが本当に正解なのか、と考えさせられます。仮に「あなたは死刑制度に賛成ですか?反対ですか?」と聞かれたら何と答えるだろうとふと考えてしまいました。勿論、罪の内容や起きた背景、本人のその後の態度などによっても感情が揺れ動きそうではあるものの、やはり平和な現代の日本において生まれ育った身としては、一つの命の存在は大きいという考えが根底にあるような気がしてなりません。劇中で登場する竪山隼太さんが演じる役に一番共感出来るかも。とはいえ凶悪犯を許すわけにもいかない。結局何が正解なのか導けないままですが、まだまだ死刑制度に関する知識は乏しいので自分なりに少し調べてみようかと感じています。死刑執行のシーンは非常に緊迫感があり衝撃的過ぎて驚きました。全体としてシリアスな作品の中に少し微笑むようなシーンもあったので重くなりすぎず良かったと思います。

    0

    2018/11/27 23:49

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大