善悪の彼岸 公演情報 ワンツーワークス「善悪の彼岸」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     ファーストシーンの照明が素晴らしい。照らされているのは、若い刑務官1名。ピンスポの当て方、その微妙な明るさが観る者をハッとさせる。(未だ初日が終わったばかりなので、本格的ネタバレは追々)

    ネタバレBOX

    その後、照らされる範囲は広がり、登場人物も増え、通常の物語りが始まるのだが、最初に照らされた人物、霧島が刑務官役のキーマンだ。奥村さんは、処遇部長(志行)役でこの刑務所のトップである。
     舞台は、上・下両袖と中央奥が出捌け、三方の壁に接して本棚、本棚の天板の上にも資料などの入ったケースが置いてある。上手本棚の前には、手前から来客向けのソファ、ベンチ、更に奥には長めのテーブルに椅子。下手本棚の前には刑務官たち用の机、椅子と舞台中央寄りに1人用の机、椅子。中央床には9枚の大き目タイルが、3x3:9枚正方形に組まれている。ど真ん中だけ色違い。意味は直ぐ察しがつこう。話の展開に応じて上半分が曇ったガラスの衝立、執行時に用いる囚人用の小机と椅子などが用いられる。この辺りの舞台転換も見事なことは言うまでもない。
     興味深いのは、所謂哲学的命題と制度、そして制度に組み込まれた凡庸な思考との齟齬が、矛盾を介して再考される点だ。詳細は、初日が終わったばかりだから伏せるが、日本的思考と非日本的思考の対置もある。そしてこの対置によって見えてくる世界観もあり得るのだ、とだけ言っておこう。

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    2018/11/23 01:27

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