満足度★★★★★
鑑賞日2018/11/01 (木)
ミュージカル座「アワード」を観にシアター1010へ。
「スター誕生」「Woman~源氏物語より~」に続き今年3本目のミュージカル座さん観劇。今回は今から5年後の2023年、トニー賞の授賞式を舞台とした物語。オープニングから華やかすぎるブロードウェイのミュージカルメドレーが展開され、開始僅か5分で大興奮。さらに、フィクションではあるものの、物語の中で登場する4本の新作ミュージカルはどれも趣向を凝らした興味深いものばかりであり、実際に存在しているミュージカルではないかと錯覚するほど。最優秀作品賞、主演男優賞、女優賞、作曲賞、脚本賞などの賞が次々に発表されていく様子や受賞者が実際に客席から壇上に上がっていく光景なども非常にリアリティーがあり、完全に物語の世界を飛び出し、本当にトニー賞の授賞式へ参加しているような感覚になりました。「スター誕生」でも似たような高揚感はありましたが、今回はステージの広さや眩しすぎる照明演出などの要素も絡んでそれ以上の興奮でした。登場する役者、脚本家、音楽家、振付師などのそれぞれの役柄も、作られた役というか、とても演技とは思えない妙なリアルさがありました。実際に存在していても全く違和感がなさそうです。
1本のミュージカル作品を創り上げることがいかに大変なことであるか、その出来上がったミュージカルが賞を獲るということがいかに偉大なことであるか、今回の作品を通じて改めて作品1本1本の重みを感じました。賞が獲れなかった場合、失敗と評される事実は本当にあるのかもしれませんが、作品作りの裏側を知ると決してそうとも言えないのではないかとも感じています。個人的にこれまで観劇したミュージカルの中でもトップクラスの華やかさ、斬新なストーリーが印象に残った素晴らしい作品でした。ミュージカル好きは絶対に観るべき。