満足度★★★★
鑑賞日2018/10/30 (火) 19:00
座席1列
パンフには、是非笑ってください、と書いてある。
だからなのか、結構(特に「ダムウェーター」の方で)笑い声があがる。
そんな芝居だったっけ。初見の舞台では、やたらと居心地の悪い覚えがあって、舞台進行と共に、あれでもないこれでもない、ダムウェーターって何?(食器昇降機としてではなく、何かの象徴?)とか、かなり振り回された記憶しかない。
そこが、ピンター作品の醍醐味でもあり、ある種の中毒性でもあるのだけれど。
とはいえ、今回の演出は軽快で、むしろ観客を心地よく巻き込んでくれる。
意味を考えさせるのではなく、軽妙洒脱に別世界に引きづり込むことに成功している。
確かに楽しいものなあ。こういう演出もありなんだなあ。と言いつつ、これよいのか、とも思ったり。
不気味ということでは、「ヴィクトリア駅」の方が極北で、不確かな247号の存在、誰も無線に出ない状況、可視される焼失したホテル、タクシーで寝ている女と247号の女への愛、いるのかいないのか不明な娘、ベッドに横たわっているであろう妻、完成度としては、こちらの方が上かもしれない。
初日ということで「ダムウェーター」は、これから数日で、伸びしろを感じさせる作品。「ヴィクトリア駅」は、肝に銘じて観劇すべき。