Naked Girls - 裸の女達 公演情報 劇団ノーティーボーイズ「Naked Girls - 裸の女達 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     タイトル通り、中々女性の愛の形を見事に表現してくれた。その意味でも余計なものを総て剥ぎ取られた愛の裸形である。(華4つ☆)

    ネタバレBOX

    その愛は狭いが深く真摯であり、決して汚れていない。聖女と娼婦は通底するとはよく言われることだが、実際そうだろう。マグダラのマリアの物語は聖書に書かれているだけではなく、多くの芸術家が絵画や詩でも表現している。
    今作は無論宗教などの絡む話ではない。地縛霊、さくらは絡むがエンターテインメントである。物語は、1972年オープンのストリップ小屋“ニューロマンさそり座”の楽屋で展開する。既に幾十年が過ぎ、今日一杯で小屋は締められる。その当日、取材が入っている。だが、看板ストリッパー、茜は左腕を複雑骨折、応援に駆け付けたのはクラシックバレーもジャズダンスの素養も備えてはいるが、悪い男に騙されこの世界に入ってきたと思しき踊り子。当然プライドも高く、踊りも上手いのだが、小屋のトップスターとぶつかることも多い。更に、現在は小屋の支配人になっている健のかつてのレコ、伝説のストリッパーであった舞までが登場する。往年の大スターを呼んだのは、彼女こそ、今でも健の思い続ける人と自らは身を引こうとする茜だった。小屋の黄金時代に大活躍していた往年のストリッパーたちの因縁は、取材に来た記者にも繋がっていた。
    とまあ、こんな具合だ。丁度折り返し、後は、自分でご覧頂きたい。笑わせる所もあれば、泣かせるシーンもある。ギャグに若干くどさが見られた序盤を除いて完成度も高い。何より踊り子たちの優しさ、正平の律儀とぶきっちょ、世間の偏見に対する対処の仕方など見所満載。無論、踊り子それぞれが抱えるトラウマやストリッパーの子として生を受けた子の悩みなどもキチンと描かれ、人情の機微と生きる苦悩を描きつつ、優しさでくるんだいい舞台である。
    ラストステージでは、楽屋として用いられていた高めの平台が板中央に置かれてステージになり、このステージ上で踊り子たちのオープニングショーが演じられるが、この場転の見事さ、ダンスの楽しさもおススメ。

    0

    2018/10/05 22:32

    0

    1

このページのQRコードです。

拡大