どん底がロシアなら、こちらはアメリカの季節労働者の群像劇だ。人情劇の面もあってよく日本でも取り上げられるが、やはりお里は争えない。これはやはり、多民族、移民国家のアメリカの物語だ。
今回の上演は、ジャニーズのファンサービスのような公演で、私が観た回は平土間の一階に男性の観客は一人もいなかった。全員建くんの女性ファンである。そういう目的の芝居もあっていいのだが、主演者を考えればもっとやさしい演目があるのではないかと思う。また、演劇に向いているタレントとステージショーの方がいいタレントがいる。演劇が解る、と言っては語弊があるが、演劇的表現にセンシティブは人と、タレント表現や、ビジュアルで行ける人とは違う。そこをタレント事務所は冷静に見なければ。どちらがいいと言う事ではないのだ。タレント性だけで一晩の劇場を埋めるだけの観客を集める人もいるのだから。2時間45分。生音楽で盛り上げ、周囲の俳優たちは演劇にしようと健闘している。