F××KIN’ FRIDAY 公演情報 法政大学Ⅰ部演劇研究会「F××KIN’ FRIDAY」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     ダーティーに見えるが繊細でダンディーな一面を含んだ快作である。

    ネタバレBOX

     タイトル通り、問題の一作であった。脚本、演出は19歳の女性。若書きではあるものの、本質的。大人と若者の差は、その経験値に過ぎない。若者は経験値の低い分、対オトナでは理論化や表現の斬新さで抵抗する他無い。その際有効になるのは対抗手段である理論や表現に本質的なものがどれだけ含まれており、大人が納得できるだけの本質的追及がどれほどの深さと広がりに於いて、発芽する種として撒かれているかである。若書きではあるものの、本質的、と評したのはこの点に於いて充分に及第どころか高い評価を与えることができると観たからである。
     「オオサカ」というアナーキー都市の性格上、乱闘シーンが多くなるのは必然だから、出捌け口は都合5カ所、舞台奥中央、幅広い踊り場の左右、手前基本フラットの板左右に各1の5カ所である。それ以外に客席背後からも出居りするので、これを入れると6カ所ということになるが脚本の内容を十全に活かす為の合理的なレイアウトで、これにも感心した。オープニングに関しても頗る上手い演出である。通常通り暗転で役者が位置に着き、明転すると、主人公は脚を左右に開き、背中を見せている。これは通常の舞台の逆を行っている訳で“いきなり面白い”と思わせる。更にこの面白いにはオマケが付いて靴は真っ赤、履いているのは22歳の男子、それも次期地獄組組長である。
     物語は、そんなもの(21代目)になりたくない彼、センリの回顧録として展開する。だがセンリは、基本的になにものにも縛られたくないという天性のアナーキスト。バイトは秒遅速で止めるし、女の子より力は弱いし、優しすぎて他人の心の微妙な襞には立ち入りたくない。
     そんなセンリを支える地獄組20代目組長で父のテンジ、テンジに父の仇と狙われ乍らも可愛がった19代目組長ヒバリとの因縁話と、テンジからセンリの世話を頼まれた現組員、カスガとフジノの2人。更に神を信じないが教会組織を利用して科学で人間を創ることを目指す盲目のシスター、犯罪自由都市・オオサカを表象する様々な表象を実に上手く配してアクティブな舞台が展開する。
     尚、近いうちに自分のブログに今作関係のレビューを掲載するのでご興味のある方はどうぞ。URLは、以下。
    https://handara.hatenablog.com/

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    2018/09/30 14:04

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