満足度★★★★
鑑賞日2018/09/14 (金)
文学座「かのような私 -或いは斎藤平の一生-」を観劇。折込チラシを見て気になった作品。信濃町の文学座アトリエも初めて訪れました。
1948年(過去)~2018年(現代)、さらに2028年(未来)までの変化し続ける日本とその時代を生きる斎藤平という一人の人物の生きざまを描いた作品。各時代を彩ったスターや主要な出来事などがスライドで紹介される場面はなかなか興味深く、まさに激動の日本といった印象。そしてその激動の日本を生き抜く主人公・斎藤平の生きざまがとてもカッコいい。時代の移り変わりとともに平の価値観や考え方も変化していく部分がある一方で変化しない部分もある。どちらも正解であり、やはりどんな時代であっても真面目に柔軟に向上心や信念を持って力強く生きることが大切だということを改めて感じました。もちろんこれは物語の主人公だけでの話はなく、全ての人間に当てはまること。自分のこれまでの人生、これからの人生についてなど色々と考えさせられる部分が多くあったような印象です。本当に人生いろいろ。2時間を超えるやや長めの公演でしたが、最後まで飽きることなく夢中になって拝見させて頂きました。欲を言えば年を重ねたときの役は見た目の変化だけではなく、話し方や仕草などにも年相応の変化が欲しかったと思うのと、ストーリーなのか各時代の掘り下げ方なのか、あと一捻りあれば尚良かったと感じました。ただ、現代で終わりではなく未来までも描かれていた点や家電などの小道具の変化もリアリティーがあった点などは良かったです。