満足度★★★★
数年前に評判をとった演目が早くも再演。3時間。さすが井上ひさし戯曲、がっつり芝居が詰まってる。戦中カリフォルニアでの日系人強制収容を題材にした音曲披露もたっぷりある劇で、収容所内の5人部屋の内部が舞台。所内で演劇班が作られ、上演台本も指定されている。日本人が住む新たな町(その収容所の事だろうか?)マンザナ建設を称揚するという内容。冒頭は演出担当の土井と浪曲師熊谷によるユーモラスで簡潔な状況説明の会話。残りのメンバーは?芝居の中身は?なぜ私達が?浪曲師に歌手、女優そして、奇術師?何のために・・掴みは十二分。かなり高いテンション(知りたい事と現状との距離=糸がピンと貼られた状態の事)が、冒頭からある。
役者の奮闘、そして終盤になって自分らを取り巻く世界状況、日本人とは何かについての視野を得ていく人物たち。見事な戯曲。