「Dの再審」 公演情報 かはづ書屋「「Dの再審」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    4日ソワレ(95分)を拝見。

    ネタバレBOX

    江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』をベースにしたオリジナルの作品は、終演後、台風接近に伴う、折からの強風に向かって「うぉ〜!"演劇"を観たぞぉ〜‼︎」と叫びたくなるような、会心の舞台でした。

    まずは、脚本。
    『D坂の殺人事件』に関する新事実の暴露、登場人物と『D坂の殺人事件』との意外な関わりの表明…今、巷で話題?の体操に例えると、スタートからフィニッシュまで繰り出す技がいちいちピタリと決まる男子の床運動を見ているような、見事な話の組み立て・伏線の張り方とその回収です。感心のあまり、ただただ唸るばかりでした。

    役者陣。
    森尾繁弘さん、島田雅之さん、金崎敬江さん、遊佐邦博さんが演じられた法曹三者。
    普通、小劇場演劇の舞台だと「そんな若僧が判事なわきゃねえだろう!」的なキャスティングが多い中、今宵の4人はどなたも、現役バリバリの法曹三者と言われても納得のリアリティーを感じました。
    それから、基本、新劇の舞台のような緊迫感ある会話劇のためか、個人的な印象なんですけど、田中千佳子さんは俳優座の坪井木の実さん、木下智恵さんは同じく俳優座の香野百合子さんの若い頃とイメージが重なってみえました。
    市川歩さんは、登場時から積み重ねてきた「鳩野弘子」のイメージが最後の「判決」の場面で静かな感動を呼び起こします。
    山本佳希さんは、舞台上のコンサートマスターとして、終始安定感のある演技で場の空気を締めているように映ります。
    黒沢佳奈さんは、確か法学部卒ではなかったはずですが、役柄の背景(実は…)も含めて立派な法学徒ぶり! さらに言えば、今回の「小山繭美」、黒沢さんご自身の生真面目さと役柄が大変マッチしていたようにも感じました。 

    では、最後に配役を記しておきます。
    折口幸吉(弁護士。「D坂殺人事件」の真犯人は明智小五郎だと主張)…島田雅之さん
    箕浦竜平(明智小五郎財団の顧問弁護士)…森尾繁弘さん
    須永時子(検事)…金崎敬江(かねざき・ひろえ)さん
    笠森武(特例判事補)…遊佐邦博さん
    ※上記4名は、もともとは皆、明智の弟子。

    明智蘭子(明智の養女で明智小五郎財団の理事長)…田中千佳子さん
    蕗屋初代(蘭子の秘書。以前は明智の盟友・平田?の秘書)…木下智恵さん
    小林芳雄(初代・小林少年。実は「D坂殺人事件」の小林刑事の息子)…山本佳希さん
    鳩野弘子(明智小五郎奉賛会・会員。明智の熱狂的信奉者)…市川歩さん
    小山繭美(東都大学法学部の学生。実は「D坂殺人事件」の「犯人」の孫娘)…黒沢佳奈さん

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    2018/09/04 22:33

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