満足度★★★★★
京都の劇団の創立20周年記念全国公演。内容も実績も伴ってユニークな芝居の面白さを見せてくれた小劇場に乾杯!! 昨年ようやく岸田戯曲賞なんて、遅すぎるよ!! そういう地方のハンデなど度外視して颯爽とわが道を行っている劇団には東京でもファンは多い。
映画にもなった本編の舞台は、郊外のキャンパスにある大学のSF研究会。そこに残されていた古ぼけたタイムマシーンの設計図を作ってみると、昨日にだけは戻れるタイムマシーンが出来た。そこから始まる騒動を青春グラフティに仕上げたのが第一作。「ワンスモア」はそれから十五年後、かつては多くの部員がいた部活動も今の学生には不人気で、部室を共有するSF研究会もカメラクラブも学生はひとりづつ。同窓会の流れで久しぶりに訪れたかつての部員たちの前に、タイムマシーンで異次元の人物が現れる。かつては一日しか移動できなかったマシーンの性能もよくなっていて、過去未来への移動の幅も広がり台数も増えている。そういう時代の変化もさりげなく取り入れて、中年を迎えたかつての若者たちの青春放課後である。
過去未来と行動が広がるにつれて、時間移動に伴うセットや衣装替えも忙しく、それが笑いを増幅する。学生劇団から出発した劇団員は今も続けている俳優・スタッフもいて、その学生部活のノリが内容ともマッチして、東京の演劇シーンでは出会えない独特の面白さだ。
補助席もいっぱい出た本多劇場超満員。CONGLATULATION!