Nf3Nf6 公演情報 パラドックス定数「Nf3Nf6」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    100分。

    ネタバレBOX

    ナチスの収容所の一室。一人の将校(西原誠吾)が虜囚(植村宏司)を連れてきてチェスを始める。二人は同じ大学で数学を研究した親友。将校は暗号機をつくり虜囚は敵国(連合国)でその暗号解読の仕事をしていたが放り出されナチスにつかまったという。そんな二人の濃密な会話劇。

    元々親友でライバルで、それが戦争での敵味方、虐待する方される方という関係になって、互いの兄弟の生死に関わっていて、でも実際の心根の部分は、という面白さ。
    最初の虜囚の卑屈な態勢が徐々に変わっていき、実は影で将校側についていたことや将校の兄の死、実際の戦局から将校が絶望に沈む終盤、眠る将校を前にチェスをさし、投了し退出するサマが静かでかっこいい。暗号を読み解くシーンでの二人のテンションの高さとか高揚感からの落差があって、どっちが虐げている方なんだかわからなく。というか将校もまた虐げられている側の人間だからか。
    数学とはなんぞやはわからないけど、人間的なニガさ(とほんのちょっとだけの甘さ)が詰まっていた。

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    2018/08/26 22:04

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