満足度★★★
鑑賞日2018/08/04 (土) 13:00
当たり前な事なのだけれど、どのような創作物も、その作成時の時代的な制約を受けるものなのだな、ということを目の当たりにした舞台でした。
1991年初演。自らの虚栄心から愚かな行動をとる「裸の王様」は、また夢想家で自らを英雄視する「ラマンチャの男」であった、という設定は、バブル期の絶頂とその後の没落を象徴する物語としては、まさにうってつけであるし、ラストに露呈される王様の正体は、いたずらに賛美され続けた理想の人間像への断罪の声ともとれる。
でも、やはり、現在の物語としては、こちらに響かないよなあ。
役者さん各位、演出の小林勝也さんがどうこうというのではなく、「だから何?」としか受け止められなかったなあ。
武田知久、飯川瑠夏、松浦慎太郎のトリオは軽快で、それぞれの役割を洒脱に演じていて好感。