分別盛りたいっ! 公演情報 ひとりぼっちのみんな「分別盛りたいっ!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

     タイトルは、カミーユ・クローデルの作品「分別盛り」から取れれているという。

    ネタバレBOX

    カミーユは、ロダンの弟子で、詩人ポール・クローデルの姉、ロダンの内縁の妻との三角関係に悩み終には精神を病んで後半生を精神病院で過ごした悲劇の天才彫刻家だ。“分別盛り”は彼女の悲惨な生を象徴するような作品だが、今作、残念ながらこのタイトルに遠く及ばない。オープニングの演出は抜群で期待したのだが、その後の展開は、演劇をどう捉えているのか? 疑問を呈する他ないレベルのものであった。科白は、間を考えているとは思えないし、がなり立てるばかりでは、何も伝わってこない。喧しいだけである。而も、数人以上の人間が同時に異なる科白をがなり立てるシーンも多いから、ストーリーの断片が、無意味な騒音として起こっては消えてゆくだけなのだ。無論、ストーリーが無い訳ではないのだが、構成に確たる中心も戦略・戦術もなく、唯羅列されているだけなので、センチメンタルな戯言が、個々の出演者の現実存在であるエパーヴとしてしか機能しない。結果、ドラマ生じさせ構成する必然性も、それが成立し得ない必然性を描く戦略も無いことが露呈してしまった。各々が楽器を持って演奏する場面などでは、音大出かな? と思わせるような演奏をするのだが、それらが一切有機的に関連していないものだから、演劇作品としては成立していない。先にも述べたように、そのような作品を創るに当たってのアイロニカルな背理の構築も無ければ戦略・戦術も見えないので演劇をどう捉えているのか? という疑問が出てきてしまうのだ。

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    2018/07/15 04:11

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