満足度★★★★★
一般社会から、あえて遠ざかる様に存在する丘の上のサンダル工場。
女だらけの工場かと思いきや男女入り乱れて中々の無法地帯。
面接を受けに来た訳アリ主婦同様「ひでーな、こりゃ」の荒れ放題に思えたこの場所が、一緒に時を刻むごとに段々居心地が良くなってくるから不思議。
工場の人々は概して野蛮ではあるけれど、それぞれの影と寄り添う姿は個性的で、お互いの傷をなめ合う様な馴れ合いは無くとも、お互いの微妙な距離間がある意味“思いやり”とすら感じてきます。
季節の移ろいと共に何だか丘を降りた社会の方が、よっぽど残酷なところに思えてきてしまう中、この工場を踏み台に社会へと飛び出していく者がとても輝いて見えたのも確か。
実に様々な登場人物の“生き抜く姿”を堪能できました。