蛸入道 忘却ノ儀 公演情報 庭劇団ペニノ「蛸入道 忘却ノ儀」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    始まる前にタニノクロウが前説で、蛸が人間よりも優れた動物で、やがては我々も蛸の方向に向かうのではないかと言う説を紹介する。されば、その蛸を弔う新しい儀式をやるのかと、思うと違う。まずは般若心経を45分。今は少なくなったろうが、昭和の中ごろまでは普通の家でも親しみのあった経典だがこれだけ長いとだれる。暑い。暗い。舞台中央の寺の広間に男女の僧・8名が香を焚き経を唱えるが、出演者の経文の唱え方がまるでできていない。仏教法事にはなかなか演劇的なところもあって、声明などは都内ホールでも年に数度はやっているだろう。客の耳をなめてはいけない。半ば過ぎると、現代的な楽器や、女性独唱者が出てきていささかペニノ風になるが、結局は何が始まるわけでもなし、ありがたいお説教があるわけでもなし、何やら狐につままれたような1時間40分であった

    ネタバレBOX

    蛸進化論を聞かされるので、そのうち何らかの回答があるかもと期待するのは俗人で、それはあっさり肩透かし。そこがペニノらしいところではあるが、かつて、マンションの一室で見せていた異質、異次元の世界からは遠くなって、ただの邪教の匂いがするのが残宴である。グロテスクの中にもどこかピュアな一線が通っていた。肩すかしも昔からあったが、今回は仕掛けも含め俗っぽい。こけおどしの寺のセットも、細かく見ると結構雑で、これでは暗い照明に頼らざるを得なかったのだろうと意地悪になる。

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    2018/07/05 23:54

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