満足度★★★★★
壬申の乱をテーマにした劇、舞台は綱を何本かで、あらゆるものに見立てて、役者さんの演技力でみせていくものでした。よくとれたチームワーク、構成の素晴らしさ、史実に基づく複雑な人間関係の機微、哀愁、祈り 本当によく表現され、とくにセリフは胸にせまるものが多く、周りの方達で泣いている人が多かったです。歴史をメインに扱うというよりは、現代の日本にあてはまる、国とは何か、日本人が何を大切にしてきたのか、どのような思いで、国が形作られたのか。
また、歴史に翻弄されながら、主人公たちが人を愛そうとし続け、苦悩を越えていく姿勢そのものを描いていたのだと思います。
現代の私たちに、伝えるべきことを、舞台で一丸になって一つの世界を創り上げていて、
役者さんたちは、どの方も本当に魅力的で、中にはセリフを間違える人もありましたが、
それを凌駕していくだけのスケールをもった劇でした。
二時間はあっという間で、もう一度、見たいなとおもえたし、観た人たちは非常に好評でした。
歴史的な史実を再現したものを期待していた方は、ナレーションがあり、人間関係が中心のこの劇は
期待はずれであったと思いますが、
テーマは、日本の国に流れている魂の時間と、愛情についてです。
それを、見事な形で舞台にしていました。次回もあるそうなので、観に行きます。