満足度★★★★
メーテルリンクの『青い鳥』は元々戯曲だと聞いて古書店の文庫版を買ったらその通り。20世紀初頭の作品だが、当時の技術で実現できるのか訝るような贅沢な舞台装置、衣裳、ミラクルな仕掛けを要する細かなト書きに最初は驚いたが、最後には作者の拘りと情熱に納得させられる。
昨年夏の利賀演出家コンクールの課題作品の一つで、この演目を選んだ3組(3人)が優秀賞を分け合ったそう。その中でも最上位をモメラスが取り、その前の公演「こしらえる」(松村翔子作演出)にみた才気が実証されたものと想像したが、期待ばかりを膨らませて観劇日を迎えた。
確かに・・既成作品に取り組む事で「演出家」の輪郭がみえてくる。「こしらえる」の時とはうってかわって、「努力」の痕跡がみえた。(詳細後日)