Cherry Boy / Cherry Girl 公演情報 どんどんチェリー「Cherry Boy / Cherry Girl」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    旗揚げ公演、その意味で「Cherry =初めて」をテーマに「Cherry Boy」「Cherry Girl」の2作品を上演することにしたという。
    当日パンフに、本団体は「初心者だからこそできる常識や型に囚われない思考と、新しいことへどんどん挑戦する心を常に持ち続ける」をモットーにして立ち上げたと書かれている。「型があるのが型破り、型がないのがかたなしよ」という長唄があったが、本公演、男の心情・本音が緩い笑いに包まれながらしっかりと描かれていた。その意味では、既存の型は破り、新たな型(カラッとした「エロ」が匂い立つような)を創ったような。
    (上演時間2時間弱) 【Cherry Boy編】

    ネタバレBOX

    セットは、ファンタジーを思わせる額縁舞台。後方に簾のようなものに球形が吊るされ、浮遊感が漂う。上手・下手にBOXを連結させた置物があり、場面によって運び込まれる。このセッティングを薄暗の中で作・演出の奥田咲女史が1人で行っているのに驚かされた。この公演への思い入れが窺える。

    物語は小学校時代にひょんなことから女子生徒の乳房を掴んでしまい、蔑みと揶揄われがトラウマになり、それ以降女性と付き合ったことがない。そんな30歳目前で童貞という男・花岡悟(中太佑サン)が主人公である。仕事は自宅で行い、外出の機会は少ない。女性には興味はあるが、付き合いたい女性は理想が高く現実的ではない。そんな彼のあだ名は”バベル”、そして小学生の時のトラウマの原因を作りあだ名の名付けた友人・木本康平(後藤真サン)が何とか女性と付き合えるようにサポートするが…。

    男性の視点から見た女性像、逆に女性からどう思われるのか先回りして心配する姿、その純情過ぎる気持ちが薄気味悪く見える滑稽さ。また男性心理の核心とも思えるような台詞に同感する部分も多く感慨深い。男の第一印象は外見の装い、その女性の一言一言に敏感に反応する素振りが情けなく描かれる。その悟が婚活パーティで出会った女性に惹かれだした。それを契機に段々と男、というか人間的魅力が見えてくる。自覚なしの成長する過程が面白可笑しい。

    物語は奇を衒った構成ではないが、それでも悟がどう変貌を遂げるのか楽しみであり、それに近い形で結末を迎える。それが「Cherry Boy」は「Cherry Girl」と連動しており、両編を観ると一層理解出来るという展開、その誘導が小憎らしい。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/07/01 15:47

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