満足度★★★★★
恋愛は人生の椅子取りゲーム。
誰だって軽やかなステップを踏み鳴らし、男ならスマートに、女ならしなやかに目指した椅子へチョコンと納まりたいところ。
しかし、いざとなると思わず「ゴゥォリャ~!」と鬼の形相で飛び掛かってしまう悲しい人のサガ。
そこで軽く弾き出されてしまうか、誰かを引きずり降ろしてでも椅子にしがみつくのかは人それぞれ。
他にも踏ん切り悪く次のチャンスを虎視眈々と狙ったり、ちゃっかり座れたと思ったらなんと糞が付いてて飛びのいてしまったり・・・
そんな、あぁ~ッ穴があったら入りたい!感覚が満載でむちゃくちゃ楽しい。
本当にどこにでもいそうで、自分の友人だったり仕事仲間であったとしても全くおかしくない登場人物の面々。
その中に過去の自分自身が何気に紛れていたとしてもおかしくないくらい。
おそらくは多くの女性と同様に、子供の頃、憧れのキラキラ男子がドジで無欲な主人公女子に真剣な愛の告白をする少女漫画に心ときめかせ育ったであろう作者さん(偏見が入っていたら申し訳ない)が、大人になり冷ややかで鋭い観察眼・表現力と人間愛を装備して、これがリアルの恋愛劇です!と言わんばかりにホントのリアルを突き付けられたかの様でした。
役者さんは全員巧いし、流れるようなテンポや場面の表現力、足音が響くフローリングを逆手にとった演出も見事です。
観にいくと、ひょっとすれば舞台上に自分の姿があったりするかも。