海越えの花たち 公演情報 てがみ座「海越えの花たち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    戯曲を買わないと理解できないというのは問題です。

    ネタバレBOX

    朝鮮半島に残された日本人妻たちの話。

    女性だけでなく男性も波乱万丈で、作品に厚みがあり、終始興味深く観ることができました。

    戦後様々な理由で残ったであろうことは予想できましたが、その後、国交回復後の国の対応の影響が大きかったことも分かりました。戸籍の扱い方を見ると、当時朝鮮半島出身の日本人に嫁いだ娘を持った家族の本音が透けて見えました。

    ナザレ園という形は朝鮮戦争のさなか突然自然発生的に生まれました。韓国らしさを感じました。

    最初のシーンとラストシーンは、私に想像力が欠如しているせいなのか、下手奥のシーンで良く聞きとれなかったせいなのか、あれは誰かと思いました。小柄そうなので半海一晃さんかと思いましたが、ナザレ園はずっとあるはずだし、変だなと思いました。

    戯曲を買って確認しました。戸籍が残っていたばかりに日本に帰り、結局ホームレスになって野垂れ死にした千賀さんでした。夫の不動産などは相続できなかったのでしょうか、なぜ何の勝算もなく日本に帰国したのか、そして今度はなぜ韓国に戻りたいと連絡しなかったのか、統率力があって頭の良い千賀さんだっただけに、その辺りのところが理解できず、あれが主人公の千賀さんだとは全く思い至らなかったのでした。

    住めば都、望郷の念とか簡単には言えませんが、戦争によって生じた男女の悲喜劇に胸を打たれました。

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    2018/06/21 09:28

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