満足度★★★
ご出演者さんがたのお芝居にはほぼ文句無し。手練れが揃っていた。
お話の筋に納得いかないようなことはそこまで無いがいかんせん、内容が薄い。物語、脚本に関する不満が残ったので星3つとさせていただく。手練れのご出演者さんたちが作り上げているため星3つの感覚であるが、作り手によってはこれは星3つに届かないだろうと感じる。
物語にメリハリが無いからか、いつもなら公演後頭に残るはずの音楽があまり残っていない。かろうじてオープニングが少し。せっかくオリジナルサウンドトラックまであったのに、残念。
舞台美術もちょっとお粗末。シンプルと言えばシンプルだが、森の緑と炎の赤を兼ねるあたりなど、細部まで見てしまうと作り込みが浅いというか、適当さを感じてしまうつくりだった。
衣装は悪くなかった。ただしわたしが観劇した土曜日にはすでに破れてしまっているお衣装が散見された。もちろんそれだけ激しい動きをされているということである。出てきた人物の衣装を見てしらけるということは最も良くないこと、それがあまり無かったのはありがたかった。お着物の裾が…とか、思うことはあったが、、それは許容できる。
アクションがとても良い、皆さま凄かったのだけれど、見続けているうちにだんだんと見慣れてきて飽きてしまうのはとても勿体ない。
それに、やっているかたの消耗具合が心配になってしまう。舞台を観ながらハラハラすると、物語の世界から現実に立ち戻ってしまう。全てが悪循環だ。
物語にしろ、殺陣にしろ。
「見所」のために総量を減らすこと、そして「ポイントを絞る」ことは良いことだと考えて欲しい。
観客だって疲れるのである。今作は情報過多だったように思う。
人間の世界とは違うところからのスタートでわくわくする幕開けだったのだが。判断ミス、優柔不断、思い込み…そういったものによりこんがらがっていく人間模様の行く先、破綻の種類、読めてしまう。
終演後、「良い芝居観たなあ」とはならなかった。