二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!> 公演情報 壱劇屋「二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    2ヶ月が経とうとしていますが、いまさらながら口コミを書きます。
    2ヶ月経って、壱劇屋さんの作品がまた目前に迫ってきても、未だ思い出しては震えるので書きます。
    表情やしぐさ、それが見えないこと、剣の振るい方、振るわないこと…一挙一動が物語を伝えるために丁寧に紡がれるワードレス殺陣芝居。もちろん、セリフがないぶんセリフがあるものに比べて受け手による部分も多く、そこは限界も一定あると思うのですが、それでも、それを補ってあまりある熱量、仕掛け、挑戦、etc...何をとっても素晴らしかったです。

    まがりなりにも観劇が好きなので、「自分の好きな視点を見つけられる」「目の前の熱を肌で感じられる」「演劇にしかない立体感、生」という演劇自体の特性や良い所は知っているつもりでしたが、それでも、水や群衆など、生ゆえの、その時にしかない風、光の反射、布やビニールの捉えきれないなびき、髪の乱れまでもが、自然で、生きていて、しかし「表現」をするための技法でもあるのだと改めてこの公演で感じました。もちろん映像ならどれだけでもド迫力に綺麗に表現できると思います。しかし、劇場という場で観る演劇でこそ得られる「瞬間の尊さ」を感じられました。

    また、NMB48というアイドルグループメンバーを主演に置きつつ、そのメンバーお二人の元ある魅力+「できるもう一歩、二歩先」の殺陣・お芝居を見せてくださることで、その一生懸命さ・挑戦する姿がお芝居にも溢れてきてお二人をより魅力的に見せてくださったように思います。
    アクションモブについても、五彩の神楽から引き続きのいわゆるアクションや効果動作のプロのさらなる進化と、二ツ巴から参戦メンバーもそのレベルに到達している完成度、人の成長の仕組みがあるんだなあ、と土台の強さを感じました。

    五彩の神楽の時のようなPVが流れることはありませんでしたが、そのぶん竹村さんが少し笑いも交えながら世界観や人物の紹介をしてくださることで、twitterやパンフの事前情報がなくても入り込みやすい心配りがあったり、その解説が終わったあとに響く水音が良い緊張感を劇場にもたらしてくれたり、終演後も衣装のままキャストさんが出てきてくださっていたり、世界観をきちんと構築しながらも身近にお芝居をつくるひとを感じられる取り組みも素晴らしかったです。

    正直、五ヶ月連続のお祭りだった五彩の神楽で大分出しきっているのでは…など思うところもあったのですが、全くの杞憂でした。五彩の神楽はもちろん、猩獣や独鬼で積み上げられてきたものも感じ取ることができましたし、混ざったからとて濁ることなく、新しく発色する二ツ巴の色として馴染んでいました。見くびっていた己を心の中で叱咤しました。

    悔しくも6回公演、映像化無しとのことで見られる人が限られているのがもったいないなと思っています。劇場に来れない人のために映像化も要望し続けたいなあと思いますし、もちろん体験して欲しいので再演も要望したいです。
    シリーズとしての楽しさとはまた違った、一本にぎゅっと詰まった魅力は勧めやすさもあるので、何らかの形で再び二ツ巴に出会える機会があればと強く願う、そんな作品です。

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    2018/06/10 17:55

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